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今いる街は、こんな場所

お知らせ

日本に戻ってから、新しいブログ「カメのこうらぼし」を始めました。

カメこと私の近況はそちらでどうぞ・・・。
# by mosimosi_kamesan | 2006-11-12 01:24 | その他

旅の終わりに

カメに乗って浜へと戻ってきた浦島太郎は
村の様子がすこぶる変わっていることに気がつきました。
会う村人も知らない人ばかり。
家に帰れど、おとうもおかあもいません。家も荒れ放題です。
「一体どうしたということだ?」
浦島太郎はふと、手に持っている箱のことを思い出しました。
竜宮城で乙姫様にもらった玉手箱です。
「記念にこれを差し上げます。でも決して開けてはなりませぬぞ。」


今回3ヶ月ぶりにハルに戻ってくることに関して、私なりに非常に悩みました。このブログをご覧になってお分かりのように、日本に戻った後も私の心はずっとイギリスの方を向いていました。もちろん、自分の論文作成作業が完全に終わっていなかったこともその原因の一つではあったのですが、正直言ってそればかりではありませんでした。
「イギリスは良かった。」
「あんな生活にもう一度戻りたい。」
そんな風に考えてばかりいたのです。

先月、イギリス行きについて悩んでいた時、私の心の中で天使と悪魔がいろんなことを言い放って逃げていきました。
「戻ってはいけないよ。現実から逃れたいだけなんだから。」
「行っておいで。イギリスに行けばまた楽しいことが待ってるよ。好きなんでしょ、イギリスが?」
そして私は2番目の言葉に従ってふらふらと来てしまった訳です。

最初の洗礼はヒースロー空港のパスポートコントロールで受けました。ご存知の通り、私の「身分」は現在ありません。Landing Cardには考えた末「Researcher」と書きました。パスポートの中の期限切れの学生ビザやそのLanding Cardを見たオフィサーが、しつこく食いついてきました。最後には「失礼しました。」と言って納得してくれましたが、学生として堂々とイギリスに入国できた時とは違うんだな、ここはよその国なんだなと、しみじみと思いました。

ハルの駅前はだいぶ工事が進んでいましたが、ハルの街や大学周辺は3ヶ月前と変わりませんでした。駅から大学に向かうタクシーの中から見た風景は懐かしい、というより、まるでその前の日も前の月もずっとここにいたような気持ちにさせられました。友人と再会できたことも非常に嬉しく、戻ってきてよかった、やっぱりここが私の居場所なんだ、と思いかけていました。しかし、だんだん時がたつにつれて、私はここにいてはいけない人間なんだと気づいてきたのです。友人たちは、論文を書いたり仕事をしたり、それぞれやるべきことをやってます。なのに私は、ただただ後ろばっかり見ていて一体なにやってるんだろう? 

一見、変わりがなかったように見えたハルの町並みですが、目を開いてよく見てみると、夏に向かっていた3ヶ月前に比べて、日も短くなり、木々の葉も落ち始め、完璧に秋の色です。私がいた頃からだいぶ時が流れていたのですね。 ただ私の中の時計だけが3ヶ月前から止まっていたのでした。 自分さえ変わらなければ、いつでもハルは私を受け入れてくれるだろうと、そう思っていましたが、それは間違いでした。それに気がついた時、ハルにいることが少し苦痛にさえ思えてきました。

まだあと5日ほど滞在期間を残しています。その間、ハルについてもっと書こうと思いましたが、もうここでこのプログもおしまいにしようと思います。ただ、今回ハルに来たことを後悔してはいません。論文を終え、私の気持ちに区切りをつけるという意味で、私にとって必要なステップだったのだと思います。

私、今まで浦島太郎のお話って「人のいいつけは守りなさいね。」という教訓なのかと勘違いしてました。どうして浦島太郎は箱を開けちゃったんだろう、開けなければよかったのにって思ってました。 でも、違うんですね。 開けてよかったんです。私もイギリスで記念にもらった玉手箱を開けて、現世界に戻るときが来たようです。玉手箱の白い煙を受けて、自分を変えなければなりません。そして前を向いて精一杯頑張って、自分を成長させた後でもう一度ここに戻ってきたとき、その時にはきっとハルもイギリスも暖かく私を迎えてくれると思いますし、そう信じています。 
# by mosimosi_kamesan | 2006-10-21 17:08 | その他

Beverley

ということでバスで30分揺られた後、ようやくBeverleyに到着。時計を見るともう3時半。町のお店はだいたい5時に閉まります。今日は買い物をしたかったので、まずはお目当てのお店を要領よく回ることにしました。

まずはおもちゃ屋さん。バスステーションの近くにあります。
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ここにはかわいい木製のおもちゃやぬいぐるみがたくさんあって、見るだけでも楽しいお店です。 私の友達の生後半年の男の子に何か買ってあげたいなぁと思って来てみました。 店員さんと一緒にいろいろ悩んだ挙げ句に選んだのがこれ。

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かめさんです。 これ実は生後1歳以上用なんですが、つまり、このカメの前にひもがついていて、それを引っ張ると車輪がついているからガラガラガラーと前へ進むわけです。そしてなんと、その時にこのカメの首が上下するんですよー。日本語でなんと呼ぶのか知りませんが、英語ではpullalongと言うらしいです。 まぁ、彼が1歳ぐらいになって歩けるようになったときに、これを引っ張りながら遊んでくれたらいいなぁとおもいまして・・・。

その次に向かったのはそこからすぐ近くにある「Barbour」という店。イギリスっぽいタータンチェック柄のジャケットやバッグ、帽子などを売っているお店です。そこで紺地に水色と深緑のチェックが入ったウール100%のマフラーを買いました。

今日の2大目的達成。 その後は、町をお散歩。

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セント・メアリーズ・チャーチ。 あの例のうさぎがいるところです。

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ベバリー・ミンスター

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中心地からちょっと離れただけで、こんなのどかな風景を見ることができます。

一休みするために入ったカフェ。紅茶だけのつもりだったのに、カウンターの上に何種類かのケーキを発見。おいしそうだったので注文してみたのですが・・・。
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また、やられた。注文したのはにんじんとライムが入っているケーキ。ケーキ自体がゴワゴワしていて、あまり味もなく、上の砂糖の固まりのようなクリームは甘すぎ。 また見かけに騙されました。 

さて、最後は穏やかな夕暮れ時のサタデーマーケット広場周辺の光景です。
Beverley_d0018846_21373957.jpg

# by mosimosi_kamesan | 2006-10-20 21:39 |

ハル駅

今日は朝からどんよりと曇っていて、家でじっとしていた方がいいような天気。でも午後からBeverleyへ行くことになっていたので、ただただ天気がひどくならないことを祈っていました。そしたら、私が出かける時になって急に天気が良くなりました。 

普段の行いがいいとこうなる・・・・なんちゃってね。

さて、Beverleyはハルからは電車で15分弱、バスで30分のところにある町です。 今日はなぜかしら電車で行きたい気分だったので、まずバスでハル駅まで行きました。 先週ハルに着いた時は気がつかなかったけど、ハルの駅前はもう工事でめちゃくちゃです。駅とバスターミナル、ホテル、デパートが統合された建物ができるんだそうで、こういった「fully integrated」な駅は英国で初だそうです。

ハル駅_d0018846_2022565.jpg
駅の建物の外部に覆いがかけられている (古い建物はこちらをご覧ください)。

窓口で切符を買いプラットフォームに出てみると、ベバリーへ行く電車は2分前に出たばっかり。次の電車は30分後。ベンチで本でも読んで待つことにしました。 が・・・。
時間が来ても電車は来ず、「誠にすみませんが、10分ほど遅れる見込みです・・・。」とのアナウンスが冷たく構内に響きます。 その10分が過ぎても電車の影も形もなく、どうやら私の乗る電車だけでなく、Manchester行きの電車もDoncaster行きの電車も遅れているようです。そして遂に、発車予定時刻を20分ぐらい回ったところで、電車がキャンセルとなりました。あと10分後に来る予定のその次の電車も「Delay」となっています。

ハル駅_d0018846_20255562.jpg14時14分発Bridlington行きの電車に乗ってBeverleyに行きたかったのに・・・。


ハル駅_d0018846_2030189.jpg
プラットフォームも電車を待つ人々で混みあってきました。


状況を把握しようと、そばにいた駅員さんにどうなっているのか聞いてみました。すると、ハル駅からちょっと離れたところの踏み切り上でトラックの事故があり、その事故処理と確認作業で手間取っているのだとか。「君はどこへいきたいの? え?Beverley? そういうことで、君の乗る電車は今Beverley駅で足止めをくってるからさ、しばらく時間がかかるかもね。」といわれました。 

恐らく日本だったら、わめきたてたり、イライラを駅員にぶつけたりする乗客がちらほらいてもおかしくないこの状況。 ところがこういう時イギリス人は大変お行儀がよろしいです。駅員に質問する乗客はもちろんいますが、駅員が「すみませんが、こちらもよく分からないんです。まだなんとも言えません。」と言うと、乗客はそれで引っ込みます。 まぁ確かに、そこで乗客が無理難題を駅員にふっかけても、状況は好転しませんものね。 これがイギリス流。

私は窓口で切符を払い戻して、バスターミナルへ向かいました。 初めからバスにしておけばよかった・・・。
# by mosimosi_kamesan | 2006-10-20 20:49 |

Hull University

我が母校、ハル大学の様子を写真入りでどうぞ。

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正門です。正面に見えるレンガ造りの建物がいわゆる管理棟です。


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図書館。本は背後にそびえる7階建ての建物にあります。7階からの眺めは格別。


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これが私が所属していた東南アジア研究センターが入っていたWilberforce Building。なんとも味気ない、コンクリートのビル。この手の建築スタイルはイギリスにおいて1970年代のファッションでした。この建物で勉強するんだと知った時、とってもがっかりしました。


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The Graduate School (通称GRI)。2階にコンピュータルームがあり、PhDコースの学生がそこで論文作成に勤しんでいます。
# by mosimosi_kamesan | 2006-10-18 02:31 | 場所



1998年7月から2006年6月まで住んだイギリス北東部の街 Kingston-upon-Hull の紹介。(記事の新たな投稿は終了しました)

by mosimosi_kamesan
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私は誰?
かめさん
緑のTシャツ、モスグリーンのジーンズ、そして深緑のバックパックをしょった私を見て、友人が一言。「あ、カメみたい・・・。」

只今、Kingston-upon-Hullにて学生生活を謳歌中 (2006年6月30日に帰国しました)

専門はスマトラ島パレンバンの錦織の文化と歴史(「なぜ、イギリスでインドネシアの研究?」なんて野暮なコトきかないで・・・。)

好きなもの・こと・ひと
ねこ。シャーロック・ホームズ。MASTERキートン。居眠り。あったかい場所。カプチーノ。緑色となすび色。あごのラインがきれいな人。
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