カメに乗って浜へと戻ってきた浦島太郎は 今回3ヶ月ぶりにハルに戻ってくることに関して、私なりに非常に悩みました。このブログをご覧になってお分かりのように、日本に戻った後も私の心はずっとイギリスの方を向いていました。もちろん、自分の論文作成作業が完全に終わっていなかったこともその原因の一つではあったのですが、正直言ってそればかりではありませんでした。 「イギリスは良かった。」 「あんな生活にもう一度戻りたい。」 そんな風に考えてばかりいたのです。 先月、イギリス行きについて悩んでいた時、私の心の中で天使と悪魔がいろんなことを言い放って逃げていきました。 「戻ってはいけないよ。現実から逃れたいだけなんだから。」 「行っておいで。イギリスに行けばまた楽しいことが待ってるよ。好きなんでしょ、イギリスが?」 そして私は2番目の言葉に従ってふらふらと来てしまった訳です。 最初の洗礼はヒースロー空港のパスポートコントロールで受けました。ご存知の通り、私の「身分」は現在ありません。Landing Cardには考えた末「Researcher」と書きました。パスポートの中の期限切れの学生ビザやそのLanding Cardを見たオフィサーが、しつこく食いついてきました。最後には「失礼しました。」と言って納得してくれましたが、学生として堂々とイギリスに入国できた時とは違うんだな、ここはよその国なんだなと、しみじみと思いました。 ハルの駅前はだいぶ工事が進んでいましたが、ハルの街や大学周辺は3ヶ月前と変わりませんでした。駅から大学に向かうタクシーの中から見た風景は懐かしい、というより、まるでその前の日も前の月もずっとここにいたような気持ちにさせられました。友人と再会できたことも非常に嬉しく、戻ってきてよかった、やっぱりここが私の居場所なんだ、と思いかけていました。しかし、だんだん時がたつにつれて、私はここにいてはいけない人間なんだと気づいてきたのです。友人たちは、論文を書いたり仕事をしたり、それぞれやるべきことをやってます。なのに私は、ただただ後ろばっかり見ていて一体なにやってるんだろう? 一見、変わりがなかったように見えたハルの町並みですが、目を開いてよく見てみると、夏に向かっていた3ヶ月前に比べて、日も短くなり、木々の葉も落ち始め、完璧に秋の色です。私がいた頃からだいぶ時が流れていたのですね。 ただ私の中の時計だけが3ヶ月前から止まっていたのでした。 自分さえ変わらなければ、いつでもハルは私を受け入れてくれるだろうと、そう思っていましたが、それは間違いでした。それに気がついた時、ハルにいることが少し苦痛にさえ思えてきました。 まだあと5日ほど滞在期間を残しています。その間、ハルについてもっと書こうと思いましたが、もうここでこのプログもおしまいにしようと思います。ただ、今回ハルに来たことを後悔してはいません。論文を終え、私の気持ちに区切りをつけるという意味で、私にとって必要なステップだったのだと思います。 私、今まで浦島太郎のお話って「人のいいつけは守りなさいね。」という教訓なのかと勘違いしてました。どうして浦島太郎は箱を開けちゃったんだろう、開けなければよかったのにって思ってました。 でも、違うんですね。 開けてよかったんです。私もイギリスで記念にもらった玉手箱を開けて、現世界に戻るときが来たようです。玉手箱の白い煙を受けて、自分を変えなければなりません。そして前を向いて精一杯頑張って、自分を成長させた後でもう一度ここに戻ってきたとき、その時にはきっとハルもイギリスも暖かく私を迎えてくれると思いますし、そう信じています。 ということでバスで30分揺られた後、ようやくBeverleyに到着。時計を見るともう3時半。町のお店はだいたい5時に閉まります。今日は買い物をしたかったので、まずはお目当てのお店を要領よく回ることにしました。
まずはおもちゃ屋さん。バスステーションの近くにあります。 ![]() ここにはかわいい木製のおもちゃやぬいぐるみがたくさんあって、見るだけでも楽しいお店です。 私の友達の生後半年の男の子に何か買ってあげたいなぁと思って来てみました。 店員さんと一緒にいろいろ悩んだ挙げ句に選んだのがこれ。 ![]() その次に向かったのはそこからすぐ近くにある「Barbour」という店。イギリスっぽいタータンチェック柄のジャケットやバッグ、帽子などを売っているお店です。そこで紺地に水色と深緑のチェックが入ったウール100%のマフラーを買いました。 今日の2大目的達成。 その後は、町をお散歩。 ![]() ![]() ![]() 一休みするために入ったカフェ。紅茶だけのつもりだったのに、カウンターの上に何種類かのケーキを発見。おいしそうだったので注文してみたのですが・・・。 ![]() また、やられた。注文したのはにんじんとライムが入っているケーキ。ケーキ自体がゴワゴワしていて、あまり味もなく、上の砂糖の固まりのようなクリームは甘すぎ。 また見かけに騙されました。 さて、最後は穏やかな夕暮れ時のサタデーマーケット広場周辺の光景です。 ![]() 今日は朝からどんよりと曇っていて、家でじっとしていた方がいいような天気。でも午後からBeverleyへ行くことになっていたので、ただただ天気がひどくならないことを祈っていました。そしたら、私が出かける時になって急に天気が良くなりました。
普段の行いがいいとこうなる・・・・なんちゃってね。 さて、Beverleyはハルからは電車で15分弱、バスで30分のところにある町です。 今日はなぜかしら電車で行きたい気分だったので、まずバスでハル駅まで行きました。 先週ハルに着いた時は気がつかなかったけど、ハルの駅前はもう工事でめちゃくちゃです。駅とバスターミナル、ホテル、デパートが統合された建物ができるんだそうで、こういった「fully integrated」な駅は英国で初だそうです。 ![]() 窓口で切符を買いプラットフォームに出てみると、ベバリーへ行く電車は2分前に出たばっかり。次の電車は30分後。ベンチで本でも読んで待つことにしました。 が・・・。 時間が来ても電車は来ず、「誠にすみませんが、10分ほど遅れる見込みです・・・。」とのアナウンスが冷たく構内に響きます。 その10分が過ぎても電車の影も形もなく、どうやら私の乗る電車だけでなく、Manchester行きの電車もDoncaster行きの電車も遅れているようです。そして遂に、発車予定時刻を20分ぐらい回ったところで、電車がキャンセルとなりました。あと10分後に来る予定のその次の電車も「Delay」となっています。 14時14分発Bridlington行きの電車に乗ってBeverleyに行きたかったのに・・・。![]() 状況を把握しようと、そばにいた駅員さんにどうなっているのか聞いてみました。すると、ハル駅からちょっと離れたところの踏み切り上でトラックの事故があり、その事故処理と確認作業で手間取っているのだとか。「君はどこへいきたいの? え?Beverley? そういうことで、君の乗る電車は今Beverley駅で足止めをくってるからさ、しばらく時間がかかるかもね。」といわれました。 恐らく日本だったら、わめきたてたり、イライラを駅員にぶつけたりする乗客がちらほらいてもおかしくないこの状況。 ところがこういう時イギリス人は大変お行儀がよろしいです。駅員に質問する乗客はもちろんいますが、駅員が「すみませんが、こちらもよく分からないんです。まだなんとも言えません。」と言うと、乗客はそれで引っ込みます。 まぁ確かに、そこで乗客が無理難題を駅員にふっかけても、状況は好転しませんものね。 これがイギリス流。 私は窓口で切符を払い戻して、バスターミナルへ向かいました。 初めからバスにしておけばよかった・・・。
我が母校、ハル大学の様子を写真入りでどうぞ。
![]() ![]() ![]() ![]() 今回宿泊しているゲスト・ハウスを紹介します。基本は他のスチューデント・ハウスと変わりませんが、違う点は、
1.朝食が用意されている(食パン、牛乳、オレンジジュース、ティーバック、インスタントコーヒー、砂糖、ビスケット)・・・これらは朝食時にのみいただくことができるそうですが、昼夜問わず、失敬してます。 2.毎日クリーナーが来て、トイレ、バスルーム、キッチンを掃除し、上記の食料やトイレットペーパーを補充してくれる。 3.バスタオルとハンドタオルが支給される。 4.部屋が暖かい・・・二重窓だし、暖房はがんがんに効く。暖房を切っていてもあったかいので、持参したhot water bottleは必要ないし、この寒がりの私が、ノースリーブと裸足でも平気。 5.部屋にテレビがある・・・これ、結構重要。 さてこれがそのゲストハウスの外観。Semi-detached houseです。先月まであすとるさんが住んでいたスチューデントハウスとは20歩ぐらいの距離。 ![]() そのゲストハウスの前を通るCottingham Road。 ![]() 入り口を入ってすぐはこんな感じです。1階の一番奥のドアはキッチンに通じており、そしてキッチンの奥にはSitting roomがあります。キッチンを入り口から見たところ。調理用具や食器類が備えられているので、料理できます。洗濯機もあります。 ![]() そしてSitting roomからキッチンを見たところ。電子レンジ、オーブンもついています。 ![]() これがバスルームですが、部屋が狭いためうまく写真が撮れません。バスタブの左手奥にシャワーがついてます。バスルームにもラジエーターがついているので、あったかいです。 ![]() そしてこれがお部屋。机と椅子、本棚、洗面台、テレビがあります。背後にはベッドとサイドテーブル、そしてたんすがあります。 ![]() 大学はすぐ裏手にあるので便利ですが、お店からはちょっと遠いのが難点。でも居心地はいいです。 論文のすべての修正が終わり、印刷をし、も一回チェックをして、さきほど提出しました。これで私のPhDコースは修了です。 お疲れ様でしたー。
かわいいわが子を社会に送り出した気持ちです。 出来の悪い子だったので、だいぶ苦労しましたが、今日、なんとか独り立ちさせることができました。 さて、こんなに早く終わるとは思っていなかったので、これから帰国までの1週間をどう過ごそうかと悩んでいます。 近場の日帰り旅行をしようかな?大好きな図書館で時間を過ごすのもいいかもしれない。。。。 ふーむ。 いきなりいただいたボーナスに、ちょっと困惑してます。 贅沢な悩みですね。 ![]() Hull Fair ― てっきり去年が最後だと思っていたのに、今年もまた来てしまうとは・・・。いやはや1年先のことなんて誰にもわかりません。 Hull Fair はヨーロッパ最大かつ最古の移動遊園地です。歴史を紐解いてみると、ハルがフェアー開催の許可を国王から最初にいただいたのはなんと1278年のこと。この時は3月9日から23日まで開かれたようです。16世紀までには、9月20日から16日間催される年一回のお祭りとなりました。現在は10月11日に一番近い金曜日から始まりますが、これは1751年のフェアーを10月11日に始めてからの慣例だそうです。 私は遊園地の乗り物が大の苦手で、乗れるのは観覧車(Ferris Wheel)ぐらいなもんです。コーヒーカップやメリーゴーランドも酔うのでダメ。ジェットコースター、フライング・カーペット、その他スリリングな乗り物なんて言語道断のその以下です。Hクンは去年に引き続き「ビック・ベン」に乗るんだと大張り切りです。上の写真の右手に写っている黄色い鉄塔状の物体がビック・ベン。この鉄塔に背を向けて座り、その椅子が鉄塔てっぺんまでひゅーと上がり、しばらくそこで止まった後、いきなりガーッと落下する。その後上がったり下がったりを繰り返す、なんとも恐ろしい乗り物です。私はH君とそのお供のM君を笑顔で見送り、地上からエールを送り続けました。 ![]() 今年こそ最後のHull Fair。友達に勧められるまま、思い出づくりのためにひとつ乗り物に乗ってみることにしました。4人乗りのジェットコースター初級者版のようなものです。でもその乗り物自体がレールの上でコーヒーカップのように回転したりするのでヤバイかなぁ~とちょっと心配だったんですが・・・。はい、やっぱり怖かったです。H君の腕を鷲掴みにしたまま、ずっとうずくまって目を閉じていました。隣でH君が「景色がきれいですよ。あぁ、もったいないなぁ。もったいない、もったいない、もったいない・・・ (以下、これを永遠に繰り返す)」と言っているのが聞こえるのですが、私個人としては非常に楽しめたんですよ、違う意味で。料金の2ポンド50ペンスの元は完全に取ってます、私。あー、また乗りたいなぁ(強がり)。 そして最後はお約束の観覧車。地上35mからの眺めをどうぞ。 ![]()
おはようございます。
記念すべきハル初日の朝は、雨です。6月には朝5時前にはもう明るくなっていたものが、7時でまだ真っ暗でした。天気のせいもあってか、8時を過ぎた現在もどんよ~り薄暗いです。これぞハルの秋! ちょっと昨日書き足りないところがありました。ハル駅から乗ったタクシーにいきなりぼられたんです。ハルに現在住んでいらっしゃる方はご存知でしょうが、ただいまハル駅および隣のビルが工事中のため、駅の正面入り口は閉鎖されています。駅の正面にあったタクシー乗り場は、改札を出て右側の出口のそばに移動しました。さて、昨夜私はそこからタクシーに乗りました。そしてタクシーは裏道を回ってSpring Bankという道の中間あたりに出たのです。土地勘がある方はお分かりでしょうが、そこから大学まで行く近道は、 Spring Bankに出たら左に曲がる → Princes Avenue → Newland Avenue → Cottingham Road → Hull University ですよね。それなのにどうしたことか、その運ちゃん、Spring Bankに出たら右に曲がってBeverley Roadへ向かったんですよ。結果として大きく「コ」の字を書くように迂回されたような気がしてならないのは、私だけでしょうか。 右に曲がったときに「おーい、どこへ行くんだよぉー。」と言いかけましたが、体格のいい腕に刺青のおっちゃんだったので言えませんでした(小心者)。でも、Beverley Roadを走っているとき、「もし大学の方へ曲がらずにTESCOの方へ行ったら何か言ってやろう」と固く決意しましたが、そこまで悪い奴ではなかったようです。それでも「小さなことにこだわる」私は、夜はNewland Avenueが封鎖されているんだろうか、とか考えてみましたが、そんな訳ありません。大学に着いたとき、その運ちゃんは一番手前のビルを指さして「アレが管理事務所のあるビルだから。」と親切に教えてくれました。私を「初めてハルに来た留学生」だと思ったんですねぇ。 そこで、「知ってるよ。ここの学生だったもん。」と抵抗してみたら、気のせいかちょっとバツが悪そうでした。 乗る前に行き先を聞かれたとき、「ハル ユニヴァーシティ」と言わず「ウル ユニヴースゥティー」と言っておけば、よそ者に見られなかったかもしれません。忘れてました。深く反省。
ぶるぶるぶるっ。 ふー、さぶっ。
リーズ駅のホームでハル行きの電車を待っている間、本当に寒かったー。 吐く息が白いんですよ。 先週、ハルにいる友人がみな「寒くなった」と書いてきたので覚悟はしてきましたが、それ以上(以下と書くべきか?)でした。 それでもなんとか無事にハルに到着。Door to Doorで25時間の旅でした。ゲストハウスの部屋に着いてまず初めにしたこと--- もちろんテレビチャンネルの確認ですね。悲しいことにチャンネル4と5が映らないみたいです。BBC1では、いきなりLook NorthのPaul the weathermanが張り切って天気予報してました。 しかし、イギリスの天気予報士と北朝鮮のニュースキャスターは、どうしていつもエキサイトしているんでしょうか。 さて荷物を片付けて歯を磨いていたら、H君が台所用品を持ってきてくれました。やっぱり友達が旅先にいるっていいですね。和みます。彼が帰ってから、コンピュータをセットアップし、ネットワーク接続の設定をして、これから17日間の生活環境が整いました。早いでしょ。あすとるちん、見習ってください。 3ヶ月ぶりなのに、昨日もハルにいたような気がするのはどうしてでしょうね。でもやっぱり前に住んでいたVictoria Avenueのお部屋が恋しいです。 そろそろ眠いので、今日はこのへんで。 zzzz ![]()
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私は誰?
かめさん 緑のTシャツ、モスグリーンのジーンズ、そして深緑のバックパックをしょった私を見て、友人が一言。「あ、カメみたい・・・。」 只今、Kingston-upon-Hullにて学生生活を謳歌中 (2006年6月30日に帰国しました) 専門はスマトラ島パレンバンの錦織の文化と歴史(「なぜ、イギリスでインドネシアの研究?」なんて野暮なコトきかないで・・・。) 好きなもの・こと・ひと ねこ。シャーロック・ホームズ。MASTERキートン。居眠り。あったかい場所。カプチーノ。緑色となすび色。あごのラインがきれいな人。
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